うんちは何を語る?

第二の脳といわれる腸と人の体のかかわりについて、興味本位に書きつづります。

うんちのにおいの話

 

トイレのドアをノックするコミカルなイラスト

 

朝の忙しい時間帯は、どこの家庭でも壮絶なトイレ争奪戦が繰り広げられているのでは?(笑)。

さらに、「お父さんの後は臭いから、トイレは最後にして!」と娘さんに一喝されて、肩身の狭い思いをしているお父さんも多いと思います(汗)。

そんなトイレのにおいの正体は、うんちのにおいの元である硫化水素・メルカプタン類・インドールスカトール・アミンなどと、オシッコが分解してできるアンモニア臭が混ざったものです。

 

トイレの消臭剤

一般的に、トイレのにおい対策には消臭剤が使われることが多く、実際、昔からいろいろな製品が市販されています。

トイレ消臭剤がにおいをとる仕組みは、

  1. においを吸収・吸着する
  2. においそのものを分解する
  3. 別のにおい(芳香剤)で悪臭を感じにくくする

の3種類に分類されます。

昔は、パラジクロロべンゼンというカラフルな芳香剤のボールが便器に転がされているのをよく見かけましたが、最近では消臭成分も多種多様になり、主流である両性界面活性剤系、不飽和脂肪酸系以外に、自然志向の高まりから、緑茶フラボノイドグレープフルーツシード孟宗竹エキスなどの植物抽出成分も使われるようになっています。

 

また、製品自体も高機能化して、においの吸着成分と芳香成分を別々にゲル化して、複合的に消臭するハイブリッドタイプもあります。

 

ところで、最近ではもっとも普及している消臭剤として、スプレータイプの製品が挙げられます。

これは、エアゾールや手動のポンプで、成分を霧状にして、使用前、あるいは使用後のトイレのにおいをすばやく消すことができるため、多くの家庭で利用されています。

 

↓ 我が家もコレ! ↓

我が家で使用中の消臭剤スプレー

 

少し古いデータですが、国民生活センターでは2001年に、このタイプの消臭剤について商品テストを行いました。

スプレータイプの消臭剤の商品テスト結果(発表情報)_国民生活センター

 

消臭剤の効果は、悪臭成分がどれだけ減少したかを機械で測って調べる方法と、人間が直接においをかいで評価する方法で行われ、他に室内環境への影響についても調査されたようです。

その結果、悪臭成分の減少率と感覚的なにおいの残留とは相関関係がなく、製品の香りが強いものほど、悪臭を感じなくなる傾向がありました。

逆に、無香料のものは、消臭効果を感じるために、使用量が増加してしまいました。

 

テスト結果から、スプレータイプの消臭剤には一定の効果が認められましたが、その一方で、消臭成分を吸って安全なのかどうかという疑問がわいてきます。

厚生労働省は「室内空気の状態の目安」として総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値を400マイクログラム/㎥としていますが、国民生活センターがテストした15銘柄の製品のうち13銘柄がこの目標値を超えていました(6畳の部屋での結果ですが、狭いトイしでは同等かそれ以上の濃度になると考えられます)。

 

また、エアゾールタイプは、消臭剤を噴霧したときの粒子径が小さく、肺から体内に入る可能性が高いとも指摘しています。

となると、化学物質過敏症などアレルギーが気になる人は、スプレータイプの製品を安易に使用することは控えた方がよさそうです。

 

くさいにおいは元から断つ

当たり前のことですが、物には何にでもにおいがあります。

そして数ある「臭いにおい」の中でも、人が特に嫌うにおいは、うんちのにおいだそうです。

そうはいっても、生き物は皆、生きるために排泄を繰り返し、「臭いにおい」を自ら発しなければならないのですから、複雑な気持ちですね(苦笑)。

 

うんちのにおいは、摂取したタンパク質が、ウェルシュ菌などの悪玉菌(腐敗菌)によって分解されることで放たれます。

前述した通り、インドールスカトール硫化水素、アミン、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどの成分が混ざり合い悪臭となるわけです。

 

腸内の悪玉菌がつくり出す腐敗産物の腐敗臭が主な原因となるということは、うんちをなるべく臭くしないためには、

腸内の善玉菌パワー > 悪玉菌パワー

の状態を保たなければなりません。

悪玉菌を退治する善玉菌

 

善玉菌を増やすには、ヨーグルトなどを毎日継続して食べて直接ビフィズス菌を補給する方法や、善玉菌を元気に育てるはたらきがあるオリゴ糖を増やす方法などがあります。

オリゴ糖をたくさん含む食べ物には、大豆やごぼう、アスパラガスなどがあり、また、ビフィズス菌などの善玉菌は、食物繊維を分解して増殖していくので、食物繊維をたくさん含む海藻類や豆類を摂取するのも効果的です。

 

つまり、日々の食生活の見直しによって、うんちのにおいは調整可能だということです。

 

ただ、においを調整するだけでなく、「うんちのにおいを、いっそのことすべて消してしまいたい」というニーズもあります。

コレは単にエチケットだけでなく、病気や介護面からの要求で、実際にそれに応える商品がでており、におい軽減の効果に対する評価は高いようです。

 

最近では、サプリメントが世の中に広まっていることもあり、うんちのにおいを消す補助食品もいろいろあります。

たとえば、マッシュルームから抽出されたシャンピニオンエキスを利用したものにはコレステロール溶解性があるため、腸内の腐敗物質の生成を抑え、うんちのにおいや体臭を低減してくれます。

また、抹茶から抽出したカテキン類を利用したものは、悪臭の元となる悪玉菌のクロストリジウムの増殖を抑えます。

その他、善玉菌を増加させる効果があるサポニンを含有する観葉植物「ユッカ(別名:青年の木)」のエキスを含んだものなどもあります。

 

ただし、人が最も嫌ううんちのにおいは、実は健康のバロメータでもあり、体の危険を示すシグナルでもあります。

偏った食事や疲労・ストレスなどは腸内環境に大きく影響を与えるため、うんちのにおいによって、生活の乱れを自ら察することもできるわけです。

 

こう考えると、うんちのにおいは、家族関係や介護問題、健康など、幅広く関連しているんですね。

誰もが臭いと感じるうんちのにおい、消臭の是非は、慎重に考えるべきかもしれません。。。

 

 

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