うんちは何を語る?

第二の脳といわれる腸と人の体のかかわりについて、興味本位に書きつづります。

うんちが出なくても気張ってはダメ!

トイレでりきむ女性

下痢の悩みは、処かまわず便意をもよおしてしまうことですが、便秘には、もよおさない、出ない、という悩みがあります。

便秘がひどい人になると、お医者さんに行って、横たわった姿勢で肛門からうんちの塊ををかき出してもらう治療を受けることだってあるんです。

 

でも、「こうなりたくない!」からといって、何とかうんちを出そうと便器に腰掛けて気張りすぎるのは禁物です。

実は、トイレの中でうんちを出そうと力んでいる内に気分が悪くなって、動けなくなる人は意外と多いんです。

たいていの場合は、少し横になることで下腹部にかかる腹圧が下がり調子を取り戻すようですが、ときには、病院で点滴治療を受けたり、中には、救急で大きな病院に搬送されたにもかかわらず死んでしまう人もいます。

 

うんちで気張って死んじゃうなんて・・・ちょっと信じがたいと思いますが、肛門近くに詰まったうんちを出そうと無理に力むことで血圧が上がったり下がったりと、排便はけっこう体に負担がかかるんです。

 

血圧が上がって起こりやすいのが脳の血管が破れる症状です。

脳出血は、ふだんから血圧が高めの年配者に起こりやすく、発症すると嘔吐やいびきとともに、眠るような感じで意識が遠のきます。

くも膜下出血は、生まれつきの脳動脈瘤や脳動静脈奇形が破裂するもので、年配者だけでなく若い人にも起こりやすく、その特徴は強烈な頭痛です。

 

トイレで気張ると血圧が上がり血管が破れるというのは、何となくイメージできると思いますが、実は、血圧が下がって血管が詰まることもあるんです

うんちで脳や心臓の血管が詰まる理由は、「う~ん」と力んでいる最中は呼吸を止めていることにあると考えられます。

人は力むとき呼吸を止めます。

すると、その間は新しい空気が肺に入らないため、血液中に酸素を取り込むことができません。

さらに、力む動作を続けることで、いつもは心臓のリズムに調和して拡張収縮を繰り返す血管の運動が妨げられて、血液が順調に流れなくなります。

すると血圧が下がり、血液の流れが滞りはじめ、ついには血管の狭いところが詰まってしまうわけです。

 

血圧グラフとドクター

トイレで長時間気張り通した末に、手足が麻痺したり動けなくなったりしたら、これは脳梗塞の症状です。

また、詰まるのは脳の血管ばかりではなく、心臓周りの冠動脈が詰まって心筋梗塞を発症することもあります。

こうなると、心臓が突然止まってしまうことになり、トイレで命取りになる危険度としては脳卒中よりも大きいかもしれません。

血管が衰えている年配者や糖尿病や高脂血症がある人は、動脈硬化が進み脳や心臓の血管が狭くなっているため、特にこういった危険があることを覚えておくべきだと思います。

 

たかがトイレと侮ることなく、少し気張ってもうんちが出そうにないときは、一度トイレから出て一休みすることが大切です。

もちろん、人が生きるために排便は欠かせない生理現象ですが、うんちで死んでは元も子もありませんから。。。

 

『カイテキオリゴ』