うんちは何を語る?

第二の脳といわれる腸と人の体のかかわりについて、興味本位に書きつづります。

食物繊維ってどんな繊維?

食物繊維って名前は聞いたことがあるっていう人は多いと思います。

でも、食物繊維ってどんな繊維?って聞かれたら「よくわからない・・・」っていう人も多いでしょう。

杓子定規にいうと、食物繊維とは人の消化酵素では消化することのできない食べ物の中の成分です。

って、これじゃ、わかったようでわからない・・・かもしれませんね。

  

食物繊維の歴史をひも解くと、昔は、医学的にも栄養学的にも、食物繊維は摂っても摂らなくてもよい栄養素という扱いだったそうです。これは、食物繊維は、消化・吸収されない食べ物のカスだと考えられていたからです。

ところが、さまざまな研究を経て、実は食物繊維は、うんちの量を増やして便秘を防ぐほか、最近では、心筋梗塞、糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防に役立つこと、さらには不足すると大腸ガンリスクが高まること、などがわかってきてからは、重要な栄養素の一つに数えられるようになりました。

 

食物繊維と一からげに呼んでいますが、食物繊維には、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維の2種類があります。

食品の成分表記では、これらを合わせたものが食物繊維となります。

不溶性食物繊維は、腸の中で水分を含んでうんちのカサを増やし、腸の動きを促して便秘の解消に役立ちます。

ただ、摂り過ぎると水分が繊維質に奪われてうんちが硬くなり、便秘が悪化してしまうこともあるので注意しましょう。

 もう一方の水溶性食物繊維は、水分を含んでうんちを軟らかくし、便秘の解消に役立ちます。

また、胃腸内をゆつくり移動して有害物質を運び出す働きもあります。

f:id:bkpolo:20170228145736j:plain

 

f:id:bkpolo:20170228145756j:plain

 

不溶性と水溶性という風に別々にとらえられていますが、実はひとつの食材中にその両者とも含まれていることは多々あります。

 

ただし、含有量のバランスは食材によって異なり、腸内環境を整えるのに摂取すべき黄金比不溶性:水溶性=2:1とされています。

これは、ある便秘研究において、慢性便秘症の患者に水溶性食物繊維の一種であるポリデキストロースを摂取させたところ、排便に対してもっともよい結果が得られたのは不溶性食物せんい14g、水溶性食物せんい7gの割合であったという結果に基づいているそうですから一応信用のおける比率だと思います。

 

もちろん、厳密にこの割合を守る必要はありませんが、バランスよく摂取することを心がけるに越したことはないと思います。

 

たとえば、食物繊維食材の代表格であるきのこ類は、一般的に不溶性が水溶性を大きく上回っていますが、その中で、なめこや白きくらげなどは食物繊維のバランスが比較的黄金比に近いです。

ちなみに例を挙げると、

きのこ名     100g中の食物繊維含有量   不溶性:水溶性の比率

なめこ       2.7g            1.6:1.1

本しめじ      3.3g            3.2:0.1

ぶなしめじ     4.8g            4.6:0.2

しろきくらげ    6.4g               2.6:1

くろきくらげ    5.2g            5.2:0

しいたけ      4.4g            4.2:0.2

えのきだけ     4.5g            4.2:0.3 

と、こんな感じです。(すべて茹でたもの)

 

また野菜類だと、

野菜名      100中の食物繊維含有量   不溶性:水溶性の比率 

ごぼう       5.7g            2.3:3.4

かぼちゃ      3.5g            2.6:0.9

ほうれんそう    2.8g            2.1:0.7

ブロッコリー    4.4g            3.7:0.7

キャベツ      1.8g            1.4:0.4

れんこん      2.0g            1.8:0.2

レタス       1.1g            1.0:0.1

サニーレタス    2.0g            1.4:0.6

と、いう感じです。(すべて生)

 

注目すべきはレタス

よく「レタス○個分の食物繊維量」とかいうCMコピーを見かけませんか?

でも、上記の中では、食物繊維含有量がダントツ低いですよね。。。

食感がパリパリ・シャキシャキしていかにも食物繊維量が豊富なイメージですが、実はそうでもない代表例です。

 

食物繊維を意識して食材を選ぶなら、イメージではなくきちんとデータを確認することをおすすめします。

大塚製薬さんのサイトはとても参考になるので、一度覗いてみてください。