夏は何気に下痢をする
暦の上では「立秋」を過ぎて、季節は「秋」ですが、現実には夏真っ盛りの今日この頃。
猛暑でバテぎみ・・・
冷えて体がだるい・・・
等々、体調を崩している人もいるかもしれません。
体調を崩すといえば、夏に下痢する人は少なくありません。
下痢といえば、秋から冬、春先あたりには、ノロやロタなどウイルス性の下痢が流行りますが、夏場にはO-157を代表とする食中毒が猛威をふるいます。
ただ、夏場には、そういったウイルス性の下痢ではなく、なんとなく起きる下痢に悩まされる人が多いです。
いわゆる「夏バテ」で、食事量が減って運動不足が重なると、腸の働きが悪くなって便秘になり、冷たい飲み物などを飲み過ぎれば下痢になります。
中には、便秘状態が長らく続いているところで、通勤電車のエアコンで体が冷やされた途端に、急に便意をもよおして冷や汗をかくケースもあります。
外は猛暑⇔室内はエアコン
そんな夏場の環境で、現代人の腸は不調を起こしやすいんです。
人が口から摂取した食べ物は、胃で分解され、小腸で栄養分を吸収され、大腸で水分と栄養を再吸収、その結果残ったカスがうんちになります。
ところが、暑さで食欲不振になり、
つい、冷たいモノを飲みすぎてしまう・・・
食事はソーメンやそば、うどんなどの麺類ばかり・・・
など、食生活が乱れることに加えて、暑さで大量の汗をかくことが、「なんとなくお腹の調子が悪い」ことの原因と考えられます。
とはいっても、スタミナをつけようと、脂っこいモノを食べればよいというわけではありません。
ここで注目したいのは、食物繊維です。
食物繊維は、消化されずにうんちの中で、スポンジのような役割を果たし、適量の水分を含みながら、うんちの形と硬さを整えています。
いわば、うんちのつなぎです。
しかし、食物繊維の摂取量が減ると、うんちのつなぎがないため便秘になったり、排泄があってもウサギの糞のような硬いコロコロ便になったり、逆に水分の再吸収がうまくいかずに下痢を起こしやすいのです。
夏場のお腹の不調を解消するには、食物繊維を意識して摂取することが大切です。
ここで注意したいことは、生野菜を少しばかり食べても食物繊維はいくらも摂れないということです。
昼食や夕食に、グリーンサラダや野菜スティックなどを食べても、ちょっとやそっとじゃ必要な食物繊維量には到達しません。
たとえば、1日25gの食物繊維を摂りたければ、レタス2~3個を丸ごと食べなければならないのです。
つまり、野菜 ≠ 食物繊維 ということ。
さらに食物繊維には、うんちの硬さをコントロールしたり腸内の善玉菌のエサになる水溶性食物繊維と、うんちのカサを増し、さらに腸内の老廃物質を絡め取って体外へ排出させる不溶性食物繊維があり、そのどちらもバランスよく食べることが大切です。
両者の違いは「読んで字の如く」、水に溶けるか溶けないかです。
水溶性食物繊維は、野菜・果物・海藻類などに多く含まれ、不溶性食物繊維は、根菜類・キノコ類・玄米・大豆などに多く含まれます。
玄米ご飯に、野菜や海藻類が入ったみそ汁、冷ややっこ、肉や魚にキノコソテーを加えたメニューであれば、自然に食物繊維を摂取できます。
つまり、和食メニューですね。
ただし、夏の下痢だからといって、何でもかんでも食物繊維不足というわけではありません。
猛暑の中や室温の高いところで長時間過ごして、その後下痢を発症した場合には熱中症を疑う必要があります。
通常、熱中症の初期症状は、脱水症状や目まい、吐き気などが言われますが、食後に毎回下痢をしてしまう日が続く場合には、熱中症の症状として捉えた方がよいかもしれません。 (←少し便がゆるいくらいなら問題ありませんが・・・)
熱中症の場合、ウイルス性の下痢ではないので、止瀉薬(下痢止め)を飲めば症状が治まることが多いですが、止瀉薬は意外に体に負担がかかるモノなので、本来は消化のよいお粥などを中心にした食事を少しずつ食べて体力を回復させ、自然治癒させるのが理想です。
また、長期間の下痢に悩んでいるなら、下痢専用のサプリを試してみるのもよいでしょう。