下痢とヨーグルトの意外な関係
これまで、このブログでも散々お伝えしてきた通り、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌をたくさん含んでいるヨーグルトは、間違いなく「お腹の調子を整える食べ物」です・・・が、その一方で、「食べたら下痢になった」と聞いたこともあります。
また、「下痢の時には、乳製品はNGっていうけれど、ヨーグルトは食べてもいいの?」という疑問もわいてきますよね。
実は、下痢の時には、ヨーグルトを食べるベストなタイミングがあるんです。
通常、腸は蠕動(ぜんどう)運動をしながら、栄養や水分を吸収し、残ったカスをうんちとして排出します。
普段は、摂取した水分の大半が小・大腸から吸収されますが、なんらかの原因でこの蠕動運動が異常に活発になった時や、水分量の調節機能に障害が起きた時に、うんちの水分が増加して「下痢便」や「軟便」になります。←ここでは下痢のメカニズムの詳細は省きます、悪しからず(汗)
そもそも、下痢は「急性」と「慢性」に分けられます。
急性下痢は、暴飲暴食や冷えなどによって腹痛を伴って起こる症状です。
あるいは、食中毒やウイルスによって起こる下痢も、急性下痢ということができます。
一方、下痢の症状が2~3週間以上続くものを慢性下痢と呼びます。
多くの場合、慢性下痢の原因は「過敏性腸症候群(IBS)」によるものです。
過敏性腸症候群の主たる原因はストレスです。
通勤電車に乗るとお腹が痛くなる・・・
大事なプレゼン前に下痢をする・・・
テスト前に必ずお腹の調子が悪くなる・・・
などの症状がある場合は、過敏性腸症候群によるものと考えてよいでしょう。
このように、急性下痢と慢性下痢の原因は異なるので、対処法も違います。
そして、お腹の調子を整えると言われるヨーグルトも、下痢の症状やタイミングによって、食べた方がよい場合と、避けた方がよい場合があります。
突然襲ってくる急性下痢は、往々にして激しい症状が多いため、治癒させるためには、半日~1日くらい絶食して活発に動こうとする腸をしっかり休ませなければいけません。
急性の下痢を引き起こしたら、まず食すべきものは、脱水症状を防ぐための水分です。
湯冷ましやほうじ茶、常温のミネラルウォーターやスポーツドリンクがオススメで、この時点では固形物であるヨーグルトは適していません。
そして、急性下痢の症状がやわらいできたら、うどんやお粥など胃腸への負担が少ない食べ物を少しずつ摂取するようにします。
その時点でやっと、ヨーグルトが本来の力を発揮する環境が整います。
ヨーグルトに含まれる善玉菌には整腸作用が期待できますし、同時に、免疫力がアップする効果があるので、病み上がりには最適の食べ物です。
一方、「慢性下痢」の場合は、日頃から腸内環境を整えておくことが予防につながるため、その意味ではヨーグルトは効果的な食べ物ということができます。
ただし、「ヨーグルトを食べると下痢しやすい」という人は、冷たいヨーグルトを食べることで体を冷やしてしまうことが一因となっているため、一口ごとにゆっくり口の中で溶かしながら人肌にして飲み込むとよいでしょう。
ちなみに、ヨーグルトに棲む善玉菌は、40℃くらいで最も活発になるので、少し温めて食べるとより効果的です。←生温かいヨーグルトなんて絶対ムリ!という声が多数聞こえそうですが・・・(苦笑)、わたしはいつも、チョッとだけレンジでチンして食べています。。。
あと、ダイエットを気にしてカロリーオフタイプのヨーグルトを選ぶ人もいると思いますが、低カロリータイプのヨーグルトに含まれている甘味料は、下痢を引き起こしやすいものが多いため、腸がデリケートな人は要注意です。
また、いくらヨーグルトが腸によいといっても、体質によって合う・合わないがあります。
無用なトラブルを誘引しないためにも、自分に合わないと感じたら避けるのが賢明です。
市販されているヨーグルトには、LB21やガゼリ菌、BB536やBE80その他もろもろ、製品によって含まれる(善玉)菌が異なりますから、いろいろ食べ比べて自分にマッチするものを探してください。