大腸ガンとお酒のはなし
一口に腸の病気といってもいろいろあり、難病指定されているものも複数あります。
ただ、一般的に怖がられているのは大腸ガンでしょう。
大腸ガンは、適切な治療を行った早期ガンでは、100%治癒するといわれていますが、その一方で、早期の時点ではほぼ自覚症状がなく、また目視では血便に気付きにくいという特徴があるため、診断された時点で手遅れというケースが少なくないという一面もある怖い病気です。
そんな大腸ガンについて、日本人を対象にした複数の研究結果を解析した報告によると、飲酒は大腸ガンのリスクを「おそらく確実に高くする」という結論が出ています。
「おそらく確実に・・・」とは微妙な言い回しだと思いますが、一応、お酒を飲まない人と比べると、アルコール摂取量が増えるのに比例してリスクが高まるといわれているんですね。
科学や医療の分野で、過去の学説が覆されることは珍しくありませんから、この研究解析が将来どうなっているかわかりませんが、わたし個人的には、この大腸ガンリスクとお酒の相関関係については正しいような気がします。。。
実際に、どのくらいのアルコールをとると大腸ガンのリスクが上がるのかの解析結果は、男女ともに、
1日のアルコール摂取量が23g増えるごとに、大腸ガンリスクが約10%増える
と推定されています。
つまり、大腸ガンを予防するためには、1日あたり平均でお酒の量が23gという目安を越えない方がよいということです。
実は、お酒と大腸ガンリスクの関係は、下記のとおり男女で若干異なります。
飲酒量 大腸ガンリスク
男性の場合
まったく飲まない 1倍(基準)
23.0~45.9 g 1.4倍
46.0~68.9 g 2.0倍
69.0~91.9 g 2.2倍
92.0 g~ 3.0倍
女性の場合
まったく飲まない 1倍(基準)
23.0 g~ 1.6倍
と、男性の方が目安量がより細かく、リスクがより高くなっています。
じゃあ、アルコール23gってどのくらいなの?っていうと、
- ビール:大瓶1本
- 日本酒:1合(180ml)
- ワイン:グラス2杯(200ml)
- 焼酎(25度):焼酎グラス1杯(120ml)
- ウイスキー:ダブル1杯(60ml)
てな感じです。
「たったそれだけ?!」と感じた人も少なくない???
もちろん、いつもこの目安量を守って飲酒できれば理想的ですが、ときには飲み会などで深酒してしまうこともあるでしょう。
目安量はあくまでも平均的な量とされていますから、1回飲み過ぎてしまったら翌日以降数日は禁酒(節酒)して帳尻を合わせればOK。
そもそも過度の飲酒は、大腸だけでなく、口腔、舌、咽頭、喉頭、食道などのガンリスクも高めますし、よくいわれるように肝臓にも負担をかけます。
また、ガンまで至らなくても下痢や消化器官の炎症などの原因になります。
なのでやはり、健康のためには「飲酒は楽しく適量に!」ってことです。。。