うんちのトラブル
「便は健康を写す鏡」といわれるように、うんちには体調に関するさまざまな情報が
含まれています。
最近では、家庭、外出先にかかわらず、排泄すると自動で便器が洗浄されるシステムが台頭してきました。
確かに、見た目や臭いの面では有効な設備ですが、自動洗浄されてしまうとうんちチェックには支障があります。
うんちチェックとは、自分が排泄した「もの」の大きさ、色、形を確認すること。実は自分のうんちを観察することは、健康チェックの意味ではとても大切なことなんです。
なので、外出先はともかく自宅のトイレの設定は、ぜひ手動洗浄に切り替えて、排泄後には必ずうんちを確認するクセをつけましょう。
さて、うんちのトラブルとして目立つ症状の1つが、過敏性腸症候群(IBS)でしょう。
過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん、英語:Irritable Bowel Syndrome、略称:IBS)は、主として大腸の運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称。検査を行っても炎症や潰瘍といった器質的疾患が認められないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛、ガス過多による下腹部の張りなどの症状が起こる。以前は大腸の機能の異常によって引き起こされる病気ということで「過敏性大腸症候群」と呼ばれていたが、最近では、大腸だけではなく小腸にも関係することなどからこのように呼ばれている。20 - 40歳代に多く、ストレスの多い先進国に多い病気である。(wikipediaより)
現在、日本人の7人に1人、つまり1~2割に過敏性腸症候群が見られるといわれていますので、その重軽はともかく、比較的ポピュラーな病気なんですね。
実は、私自身も中学生の頃から学生時代、社会に出てからもずっと、テストや学校の行事、イヤな仕事を迎えるたびに下痢していました。
とくに自分では緊張している意識がなくても、カラダが勝手に不調になっていたような気がします。
大学生時代には、通学電車を途中下車してトイレに駆け込んだこと数知れず、って感じでしたね(苦笑)
社会人になってからも、そういった症状は続いていましたが、近頃は仕事のストレスが少ないこと、さらに肉体改造に取り組みダイエットにも成功したからか、一切お腹の不調を感じなくなりました。
IBSの特徴は、突発的に(慢性的な場合もあり)腹痛をともなう下痢あるいは便秘が起こり、排便すると痛みが軽くなります。検査しても腸に炎症やポリープなどの疾患はありません。
ストレスにともなう自律神経の異常によって、腸の蠕動運動に障害をきたすことで起こります。
医学的には、こうした症状が1年のうち12週間以上続く場合とされているようですが、実際には、人によって症状は千差万別みたいです。
たとえば、通勤途中にわざわざ電車を降りてトイレに駆け込むことがよくあるとか、なにか緊張する行事があるとお腹の調子が悪くなる、あるいはお腹のことが心配で外出する気になれない、などという場合には過敏性腸症候群を疑ってよいでしょう。
過敏性腸症候群は若い人の間に多く、特に女性に多くみられるそうです。
この病気はいわば消化器心身症と考えられいて、俗称として「イライラ腸症候群」と言いかえることもあるようです。
対処法としては、まず腸をいたわる食生活を心がけること、それから市販薬(漢方薬など)を服用する、それでも症状が改善されず生活に支障をきたすようなら、病院で診察を受けるのがよいでしょう。
それからもう1つ、これは私が勝手に考えていることなんですが、お腹のことをあまり気にしないことも大切だと思います。
どういうことかというと、あくまでも自身の経験ですが、この病気の場合、日常生活において食べ物や飲み物、外出先でのトイレの有無など、常にお腹のことを気にしてしまうわけです。
「お腹のためにはコレを食べたほうが(食べないほうが)よいかな?」とか「途中でお腹が痛くなったらどうしよう」とか・・・。
それは、ある意味やむを得ないことなんですが、一方ではそのこと自体が、かなりのストレスになっているはずでず。
病気を気にすることによるストレスが、その病気の原因の一端だとしたら、堂々巡りになってしまいますよね?
なので、難しいとは思いますが、あまり神経質になり過ぎずに、自分のお腹と上手に付き合っていくことが大事だと思います。
うんちで健康診断
最初にお伝えしたように、日常で排泄の後にうんちチェックすることは大切です。
うんちチェックでは、色や形を確認してください。
健康なうんちの色は、黄色から黄褐色です。胆汁に含まれる黄色い色素がうんちに混じるため、茶褐色や黄色ときには緑っぽい色の場合もあります。
また、うんちが大腸を通過する時間が短いと黄色、長くなるほど黒っぽくなります。
脂質をとり過ぎると、消化するのに胆汁を多く必要とするため、補給が間に合わないことがあり、そうすると白っぽい便になります。
自分が食べたものに心当たりのある場合は心配ありませんが、白っぽい便は肝炎や胆石症などによって胆汁が流れなくなっている可能性もあるため要注意です。肝臓がんや胆嚢がん、膵臓がんなども疑われるので、心配なら医師に相談してください。
血液が混じっていたり、タール状の便が出たときは、消化器官系に何らかの以上が発生している危険のサインです。
うんちの表面に血が付いている場合は、痔の可能性が高いといえますが、うんち全体が赤っぽいときは大腸からの出血が考えられ、大腸がんや直腸がんの可能性もあります。
ドロッとしたタール状のウンチが出たとぎは、上部消化管つまり胃や十二指腸からの出血が疑われます。
出血性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍、あるいは胃がんの可能性があります。
ただし、抗生物質や鉄剤を服用しているときに便が黒くなる場合もありますので、あわてず冷静に判断してください。
うんちの色を決める一番の条件は、腸内のpH(酸性度)です。
腸内に最も多いビフィズス菌や乳酸桿菌などは、オリゴ糖などの糖質を分解して乳酸や酢酸をつくります。
乳酸や酢酸がたくさんできれば、腸内は酸性を示します。
腸内が酸性であるほどウンチは黄色になり、アルカリ性になるほど黒っぽくなります。
ちなみに、とある研究では、うんちが黄土色のとき、つまり「良いうんち」では、腸内のpHは6以下の酸性で、ビフィズス菌が腸内細菌の約20%を占めている状態だと報告されています。
それから、肉や魚などタンパク質をたくさん摂ると、悪玉菌がそれを分解して悪臭物質をつくりますので、うんちの臭いがきつくなります。
がん患者の腸内には、健康な人と比べて悪玉菌が多いというデータがありますから、動物性のタンパク質をそれほど摂取していないのに腐敗臭のような便のにおいが続くときは要注意です。
次にうんちの形ですが、実はうんちの硬さ・形といった特徴を七段階に分類した国際的な基準があるんです←ちょっとビックリ!?
イギリスのブリストル大学が開発したブリストル・スケールというものです。
- ブリストルスケール1(コロコロ便):硬くてウサギの糞のようなコロコロした大便
- ブリストルスケール2(硬い便):ソーセージ状に固まってはいるが、コロコロした塊が集合したような硬い大便
- ブリストルスケール3(やや硬い便):ソーセージ状に固まってはいるが、表面にヒビ割れのある大便
- ブリストルスケール4(普通便):なめらかで軟らかいソーセージ状の大便
- ブリストルスケール5(やや軟らかい便):形はあるが軟らかい大便
- ブリストルスケール6(泥状便):形のはっきりしない泥のような大便
- ブリストルスケール7(水便):水っぽい液状の大便
一般的には、「普通便」と「やや軟らかい便」の間の練り歯磨き状の便が最も健康な状態だとされています。
バナナ状うんちは健康な状態で、コロコロうんちは、神経質で便秘がちの人に多いです。
便中の水分が不足すると便秘になり、そうすると切れ痔にもなりやすくなります。
逆に、水分をとり過ぎたり、消化不良やストレスで、うんちが軟らかくなることがあります。
一時的な下痢の場合は、形がはっきりしない粥状や液状ですが、液状の下痢(3日以上続くとき)は、食中毒などの可能性があります。
また、毎日うんちチェックをしていて急に細い便が出るようになったときは、直腸がんなどの疑いもありますので、スグに医師に相談してください。