腸の老化が〇〇を招く?!
人間の老化現象というと、物忘れがひどくなる、よく眠れなくなる、あるいは筋力が落ちる、シワが増える等々、さまざまな症状が思い浮かびますが、実は人がなぜ老化するのかについては、いまだにはっきりと解明されていません。
一説としては、細胞分裂が衰えることによって老化が始まるとも、細胞分裂する際に突然変異が発生し、それが徐々に蓄積され最後に破綻する、とも言われています。
その他にも、摂取カロリーによる、あるいは活性酸素が影響している、といった説などもありますが、コレだという決め手のある学説は特定されていません。
まぁ、素人考えでは、要するにいくつかの理由が積み重なって老化していくのでしょう←当たり前か。笑。
さて、人が内面、外見ともに老化するということは当然、年齢とともに腸内環境も老化します。
具体的には、腸が老化すると腸内細菌の数が変化し、それが免疫カの低下を招くのだそうです。
つまり、免疫力と直結しているといわれるビフィズス菌数が減り、悪玉菌が増殖していくんですね。
そうなると、人は病気になりやすくなります。
また、免疫機能の働きが鈍るので、糖尿病やリューマチなど、免疫不全に関係する疾患を起こしやすくなります。
腸の老化対策に有効だとされているのが、ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂取すること。
老化によって自然減少してしまう善玉菌を口から入れて、ビフィズス菌や乳酸菌を増やす(維持する)わけです。
加えて、野菜類やオリゴ糖も摂取すれば、食物繊維が腸の活動を活発にし、免疫機能を活性化させることができます。
つまり、腸の老化対策には、食べるものが深く関係するということです。
老化といえば、「肌の衰え」も重要なキーワードの一つですが、実は肌年齢は腸で決まると言われています。
かつては、「肌」というと女性の問題だと考えられていましたが、最近は男性化粧品が多く出回っていることからもわかる通り、男女問わず関心が高い分野です。
ヤクルトが行った調査によれば、
- 「腸年齢」の若い人は、肌の悩みが少ない
- 「腸年齢」の若い人は、肌や脳の衰えを感じることが相対的に少ない
- 「腸年齢」の若い人は、脳の老化現象も顕在化しにくい
という結果が出ています。さらに、
- 「腸年齢」が若い人ほど、自分が加齢することで失うものより得るものの方が大きいと考えている
- 「腸年齢」が若い人ほど、健康状態/体力/気持ち/容姿なども若い傾向にある
- 「腸年齢」が若い人ほど、プロバイオティクスの摂取頻度が高い
といった結果も、同時に公表されました。
いまさらですが、プロバイオティクスとは、腸内細菌のバランスを改善することにより宿主(人)に有益な作用をもたらす乳酸菌などの生きた微生物のことです。
いまや、健康や美容を考えるのに、「アンチエイジング」は欠かせない要素です。
アンチエイジングとは抗年齢、つまり老化をできるだけ抑えることですが、難しいことを抜きにすると、見た目を含めて「若々しい状態を保ちたい」という願望と言い換えることができると思います。
上記の調査によって、そのアンチエイジングに関して、腸が関与しているということが判明したのです。
肌の悩みに関する質問を、腸年齢が実年齢より若いグループ、腸年齢が実年齢+10歳のグープ、同じく+20歳のグループそれぞれにぶつけたところ、すべての項目において「腸年齢がプラス10歳」、「腸年齢がプラス20歳」の人のほうが悩みが多い、という結果が出たそうです。
つまり、腸年齢と肌の悩みはリンクしているということ。
なので、アンチエイジングも腸内環境を改善することから始めないと、せっかくの高級化粧品、あるいはエステの効果が十分には出ないかもしれませんね。。。
それから、同じ調査からもう一つ、
- 「腸年齢」が実年齢より若く理想的な人は全体の38.5%
- 若い人ほど「腸年齢」が実年齢より老化している
- 肥満の人、ストレス過多の人が特に腸の老化が進行している
- 「腸年齢」の若い人が多いのは、「勤め人より専業主婦」「ストレスが少ない人」「プロバイオティクスを摂取している人」
- 「腸年齢」が若い人ほど、普段から腸の健康に気を遣っている傾向がある
という結果も出ています。
中でも衝撃的なのが、若い人ほど腸年齢の老化が進んでいるという事実です。
食生活の悪化や不規則・不摂生なライフスタイル、仕事のストレスなどが主な原因でしょうが、放っておけば将来深刻なことになるかもしれません。
腸内環境を改善するためには、日頃の生活習慣が大きなポイントです。
ここで、誰でもスグに始められる3つの腸活をご紹介します。
- 朝起きたらコップ1杯の水を飲む
- 通勤・通学時に1駅分歩く
- よく笑う
以上の3つです。
もちろん、このほかに毎日ヨーグルトを食べることができれば理想的ですが、とりあえずほとんどお金をかけずにできる対策として、上記3つを紹介しました。
まず寝起きに1杯の水を飲んで、腸に目覚めのサインを送ります。
その後、出掛けの準備緒、朝食後に少し時間をとってください。
腸の蠕動により便意をもよおす時間をつくるように心がけ、必ず排便しましょう。
次に、外出時には1駅分歩きましょう。
日頃から運動を心がけているならともかく、忙しいとつい、運動する習慣を忘れてしまう人は少なくないはず。
そんな人は、通勤・通学のときに1駅分歩いたり、バスやタクシーでは目的地の手前で降りて歩くようにするのです。
歩くことを習慣化することで、インナーマッスルの衰えを防ぎましょう。
最後は笑顔をつくること。
笑うと脳の前頭葉の興奮が起き、それが免疫をコントロールする間脳に伝達され、情報伝達物質(神経ぺプチド)が作られます。
この物質は、善玉ペプチドとして、血液やリンパ液を通じて身体中に流れ、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の働きを助けます。
ちなみに、NK細胞とは、人の免疫システムにおいて重要な役割を果たす免疫細胞です。
実際、人が笑った後の血液分析では、免疫バランスが向上するというデータもあります。
当然、腸内環境にもいい影響を与えるので、ぜひ1日に何回か笑ってください。
余談ですが、とくに面白くなくても、無理して笑うだけ(笑顔をつくるだけ)でも、それなりの効果はあるようです(苦笑)。
以上の3つの対策、いくら簡単といっても特に2番目については、毎日、自ら時間を割いて行う努力が必要です。
中には、1番目や3番目だって容易でない、なんていう強者(?)もいるかもしれません(笑)
でも、これらを実行するだけで、薬も治療もなく腸内環境を改善でき、老化リスクを減らせると考えれば、明日から始めることができるのでは・・・?!