うんちは何を語る?

第二の脳といわれる腸と人の体のかかわりについて、興味本位に書きつづります。

おならは危険物?!

噴火する火山

おならは窒素・二酸化炭素・メタン・水素・酸素が主成分で、この内おならの燃える成分は主に水素メタンです。

ただし、人によってガスの含有量には幅があり、メタンは0~26%、水素は0.06~47%の範囲と含有量にはややバラつきがあります。

メタンと水素は、腸内の細菌によってつくられます。ちなみに、メタンは主に結腸でつくられますが、腸内にメタンをつくる菌がいない人のおならにはメタンは含まれません。

 

NASAがおならを研究!!

おならの研究に真剣に取り組んだのは、アポロ計画スペースシャトル計画で有名なアメリカのNASA (米国航空宇宙局)の研究チームです。

NASAがおならの研究をしたのは、臭いの心配もあったのかもしれませんが、おならが宇宙船内で爆発する危険性を考えたからとのこと。

宇宙船の内部(宇宙服内部)は気圧を低くしてあるため、普段よりおならが出ます。

その上、宇宙食は量こそ少ないけれど高カロリーなので、おならの生産効率が高く、水素やメタンガスの産生量も多いので、場合によってはガス爆発の危険性があると考えたわけです。

NASAの研究によって、おならにはなんと約400種の成分が含まれていることがわかりました。

臭気の研究をする女性研究者

おならの主な成分は、飲み込まれた空気中の窒素が約60~70%、水素が約10~20%、二酸化炭素が約10%、その他酸素、メタン、アンモニア硫化水素スカトールインドール脂肪酸、揮発性のアミンなどです。 

それら成分のうち水素やメタンは、空気(酸素)とある割合でー緒にして点火すると、爆発的に燃焼します。

爆発とはつまり、非常に速い燃焼のこと。

燃焼について調べてみると、物が燃えるためには、可燃性物質酸素供給源着火源の3つが必要です。

逆に言うと、偶然3つの条件がそろえば、燃焼や爆発が起こります。

ただ、実際にガスが燃焼・爆発するには、ガスが空気中にどれぐらい含まれるかが重要になります。

ちなみに、メタンでは5.3~14%、水素では4~75%の範囲にあるときに燃焼・爆発するらしく、おならに含まれるメタンや水素の成分比を考えると、それらが爆発限界の範囲にある場合もあり得るわけです。

酸素は空気中にあるので、あとは着火源さえあれば3つの条件がそろうことになります。

そういったことを踏まえれば、NASAの研究は無駄ではなかったと思うのですが、一方で「もし、宇宙船内で何らかのスパークが発生したら・・・!とんでもない爆発事故につながる!!」と考えて、NASAの研究者たちが真剣におならを研究したと思うと、ちょっと笑えますね。

現実には、仮に煙草を吸っているときにおならをしても、おならが燃焼・爆発することはありません。

これは、おならが空気中に拡散してしまうからです。

ただし、お尻から出てすぐのおならは燃焼する危険性があります。

もしかしたら、バラエティ番組などで、お笑いタレントがおならが青白い炎を一瞬出して燃焼させるのを見たことがあるかもしれませんが、ヤケドをする危険性があるのでやめておきましょう・・・と言いつつ実は、私は高校生のときに実験したことがあります。100円ライターを着火しながらおならをすると、見事に燃え上がったのを覚えています←マネしないように!!(苦笑)

現実に、日本でも、かつての汲み取り式トイレ時代には、トイレで爆発事故があったようです。

「トイレで下着を下げたとたんに爆発した」そうなので、おそらく溜まったメタンガスに静電気で着火・爆発したのでしょう。

さらに世界では今でも、「汚物によるトイレガス爆発」が起こっているようです。

これまで直接おならが爆発したという事例はないようですが、過去には、腹部の手術中に電気メスが腸内ガスに引火して、爆発したという事例はいくつかあるようです。

現在では、手術前に腸内洗浄が徹底され、さらに腹部に二酸化炭素を注入してから電気メスを使うため、そのような爆発事故の危険はありません。

  

我慢したおならは、どこへいく?

正直、私は突然おならが出そうになるときがあります。

おならは生理現象の一つですから、本当はTPOに関わらずそのまま出してしまうのがいいに決まっています。

でも、いくら「出もの腫れもの所かまわず」といっても、授業中の教室やエレベーターの中、満員電車の中など、まわりに人がいたりすれぱ、やはりそうもいきませんよね。

そこで、肛門括約筋をギュッと締めて我慢するのですが、するとしばらくすると放屁したい感がどこかへ消えていってしまいます。

こういうことってありますよね?!

実は、我慢し続けたおならのほとんどは、時間の経過とともに大腸の粘膜にある毛細血管から血液中に吸収されてしまいます。

ガス(おなら)の量が多い場合は小腸までも逆流し、大腸同様に粘膜の毛細血管から血液中に吸収されていきます。

血液中に入ったおならは、血流にのって全身を巡り、一部は途中で腎臓で処理されてオシッコの成分となりますが、残りは肺の毛細血管まで運ぱれ、呼気に混じってロや鼻から排出されます。

つまり、本人も気づかない内に、ロや鼻から放屁(?)しているわけです(笑)