うんちは何を語る?

第二の脳といわれる腸と人の体のかかわりについて、興味本位に書きつづります。

腸内環境と下痢の関係

下痢便のキャラクター

便秘に悩む人と同じくらい下痢に悩んでいる人、いるんじゃないでしょうか???

便秘もつらいけれど、下痢もキツイですよね。

便秘は四六時中、不快感と戦わなければならないけれど、下痢の場合、通勤や通学の電車や会議中、授業中にもよおしてきたら一大事!

トイレへたどり着くまで、一時も肛門括約筋を緩めることは出来ません。。。あのつらさは経験者じゃないとわからないでしょう。 

 言うまでもなく下痢とは、うんちに含まれる水分が多く、液状に近いまま排出される状態です。

専門的な分類では、うんちの特徴を分類したブリストル・スケールで7番目の「水様便」ということになります。

具体的には、うんちの水分量が90%を超えたものです。

 

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 大腸には、内容物を運ぶ「蠕動(ぜんどう)運動」、「水分吸収」、「分泌」の3つの働きがあります。

大腸の蠕動運動の働きが落ちると、水分吸収が進むので便秘気味になり、逆に高まり過ぎると下痢気味になります。

つまり下痢は、何らかの理由で大腸が水分を十分に吸収しないとき、または腸粘液や水分の分泌の働きが高まったときに起こるのです。

 

下痢には、急に起こる急性下痢と、2~3週間以上下痢が続いたり再発を繰り返す慢性下痢があります。

 

急性下痢

冷たい物を食べ過ぎたり、暴飲暴食したとき、あるいは寝冷えしたときに起こる下痢は非感染性のもので、大腸の蠕動運動が活発になり過ぎて水分がうまく吸収されないために起こる急性の下痢です。

例えば、冷たい物が胃に入ると、その刺激が大腸に伝わり、大腸の蠕動運動が盛んになります。

また、胃で十分な消化が行われないまま、内容物が腸に到達すると、未消化の内容物が腸壁を刺激して、蠕動運動が活発になります。

胃に食物や水分が入り、大腸が蠕動動運動を始める排便のメカニズムのことを大腸反射といいますが、この反射が強くなりすぎると大腸からの水分吸収が弱くなり、下痢になるのです。

急性下痢のときは水分の補給が大切です。

健康なときに、小腸と大腸で吸収される水分は、1日に約8Lにもなるそうです。

腸内の通過速度が速くなれば、そうした吸収が順調に行われなくなるわけですから、水分や栄養が足りなくなります。

なので、当初はスポーツドリンクなどで水分と栄養を補い、症状が落ち着いたら、お粥から徐々に平常食に戻していきましょう。

 

感染性の下痢

急性下痢には感染性のののもあります。

感染性の下痢の代表は食中毒でしょう。

細菌のキャラクター

 どんな食品も腐ったり変質したりしますが、そもそも、食品が腐るのは、食品をエサにするさまざまな細菌が大量に増殖するためです。

梅雨~夏場に、食品がほんの数時間で腐ってしまうことがあるのは、高温・高湿の元では数十分もあれば細菌が何千、何万倍にも増殖することができるからです。

ただし、腐敗した食品を摂っても、嘔吐や下痢などの食中毒の症状が出ない場合も多々あります。

実は、腐敗した食品に含まれる多くの細菌は、摂取しても人体に悪影響を及ぼさないのです。

 

腐敗菌よりも怖いのは、腐敗の進度に関わらず食中毒を起こす、特定の細菌が存在することです。

太古の昔から現代まで、人類の最大の危険は食中毒でした。そこには、サルモネラ菌ブドウ球菌腸炎ビブリオ、病原性大腸菌ボツリヌス菌など、古代から生存する病原菌の存在があります。

 

大腸では、カラダによくないものが侵入してくると、悪いものを早く排出しようと、腸の粘膜から盛んに水分分泌を行ないます。そのために、頻繁に水のような便が出るのです。

赤痢コレラ、一部の病原性大腸菌感染症などでは、激しい下痢や嘔吐を起こすばかりでなく、病原菌が出す毒素が腸管から血管や細胞に入って悪さをし、命に関わるような重い症状を招くこともあります。

 

食中毒の場合、病原菌がロに入ってから発症するまでの時間は、最も早いブドウ球菌で1~6時間サルモネラ菌では8時間以上腸炎ビブリオでは食後12時間以上経ってから発症するといわれています。

なので、急に吐き気や嘔吐を覚え、38度以上の発熱を伴う下痢を発症した場合は、食中毒の疑いがあるので、早急に受診が必要です。

 

また、食中毒にはウイルスが原因のものもあります。

最も多いウイルス性食中毒は、ノロウイルスによるものです。

冬季に発生する食中毒のほとんどはウイルス性ですが、その90%以上がノロウイルスによるものとされています。

ノロウイルスの原因食品は生カキなど魚介類が多く、摂取後1~2日経ってから突然吐き気に襲われ、嘔吐や下痢が1~2日くらい続きます。

また、頭痛、発熱、咽頭痛など風邪とよく似た症状が見られる場合もあります。

感染した人の排泄物や嘔吐物、それらが乾燥して発生するチリやホコリにはウイルスが含まれ、それにより経口感染するため、家族などへの2次感染に十分注意が必要です。

病状は重いことが多く、点滴などで水分の補給を行いながら安静にして医師の指示に従ってください。

 

腸内環境に配慮する

便秘に比べて下痢は、排泄に直結しますから、ある意味ではデトックスともいえます。

悪いものを排出するために起きるので、腸内が掃除されたともいえますが、やはり現実には、腸内細菌のバランスが崩れることが原因です。

つまり、下痢の症状は、悪玉菌により引き起こされたと考えられるわけです。

ということは、正反対の症状のようでも、便秘・下痢とも根本的な原因は同じということになります。


そうなると、やはり日頃から「腸内環境を整える=善玉菌を増やす」ことが重要で、便秘・下痢の予防はもちろん、健康なカラダ作りにも役立てられます。

善玉菌は年齢とともに減少傾向にありますので、とくにアラフォー世代からは腸内環境整備を意識することが大切です。