うんちは何を語る?

第二の脳といわれる腸と人の体のかかわりについて、興味本位に書きつづります。

慢性下痢には病気が潜む?!

下痢に苦しむ男性

 

前回は主に、急性の下痢について記したので、今回は引き続いて慢性の下痢についてお伝えしようと思います。

以前はわたし自身、慢性下痢で悩んでいたので、このテーマには思い入れがあります(苦笑)

 軽口はさておき、下痢が長く続くと肉体的な負担はもちろん、「もしかして悪い病気では?」と不安が募ってしまう人も少なくないでしょう。

また、いつ・どこで便意に襲われるのか不安に感じて、出掛けることをためらったり、いつも外出先のトイレの位置を気にしたりと、精神的にもけっこう疲れますよね。

あと、家を出る前には出ても出なくても必ずトイレに閉じこもるクセがついて、いつも時間ギリギリに家を飛び出すなんてこともあるかもしれません←自分はいつもそうでした。。。

 

前回お伝えしたとおり、下痢のメカニズムは、腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になることで水分調整が上手くできなくなり、うんちの水分量が増えてしまうことで起こります。

そして、下痢には急性慢性の2タイプあります。

急性はその名の通り、食べ過ぎや食あたり、寝冷えなどによる突発的なもの、一方慢性は、日常的にいつもお腹の調子が悪い状態をいいます。ちなみに、お医者さん的には3週間以上続く場合を「慢性下痢」と呼ぶようです。

 

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原因が比較的わかりやすい急性下痢に比べて、慢性下痢の場合は「そういえばずっと続いている」と、原因や症状が現れた時期があいまいなケースも珍しくありません。

 

そんな慢性下痢の中で最近多いのが、過敏性症候群(以下IBSです。

最近、よくテレビ番組などで取り上げられているので、耳馴染みある病名かもしれませんね。

IBSは、ストレスや緊張、不安などによる精神的な影響や、疲れや睡眠不足などが原因だとされています。

一説では、腸そのものに異常はなく、ストレスや緊張によって慢性的に下痢を繰り返してしまう人は、慢性下痢の約70%を占めるとも言われており、実はぜんぜん珍しくない病気なんです。

 

IBSの治療は、食事療法や運動療法をはじめとするライフスタイルの改善からはじまりますが、薬による治療が併用されることもあります。

ライフスタイルで注意するポイントは、

  • 香辛料や脂っこい食べ物を避け、コーヒーやアルコールも症状の悪化につながる可能性があるので控える。
  • 気分転換やストレス解消、整腸効果を期待して、体操や散歩などの軽い運動を生活に取り入れる。

といったところですが、IBSの症状や度合いは人それぞれなので、まずは医師に相談して症状に適した治療方法の指導や薬剤処方を受けましょう。

 

IBS以外の原因についてですが、実は慢性下痢には重大な病気が隠れている場合もあるので油断はできません。

大腸がんや潰瘍性大腸炎クローン病など、重度の腸疾患による下痢、胃や膵臓、肝臓の病気による下痢、さらにはバセドウ病甲状腺機能亢進症)や糖尿病など代謝の異常によって起こる下痢など、さまざまなケースが考えられます。

なので、下痢がずっと続いていて止まらない場合、下痢止めを飲んでも回復しない場合には、必ず医療機関を受診しましょう。

 

中には、まったく違う病気の治療で抗生物質を服用していることが原因で、下痢になることもあります。

これは、抗生物質は、カラダに悪影響を及ぼす菌を殺すと同時に、腸内の善玉菌も殺してしまうため、腸内環境に悪影響を与えることが理由です。服用中にひどい下痢が続くようなら、医師に相談した方がよいかもしれません。

 

下痢になると水分がたくさん排出されるため、脱水症状にはくれぐれも注意が必要です。刺激が少なく体内に吸収されやすい湯冷ましや番茶、塩分控えめの味噌汁やスープ、糖分の少ないジュース、スポーツドリンクなどで水分補給をしましょう。

ただし、アルコールやコーヒーなどの刺激物は、水分補給になりませんのでご注意を。

 

食事に関しても、油っぽいもの避けるのはもちろんですが、消化に負担がかかる貝類やイカ、タコなどの魚介類、繊維質を多く含んでいる野菜、香辛料を使った刺激物なども控えた方がいいでしょう。

 

慢性的な下痢に対しては、日頃から腸内の環境を整えることを意識してください。

巷でよく言われる通り、ビフィズス菌(乳酸菌)などの善玉菌や、善玉菌のエサとなるオリゴ糖などを意識的に摂ることはとても有効だとされています。

とくにIBS過敏性腸症候群)の人は腸がデリケートなので、お腹にやさしい食べ物を摂るように心がましょう。

 

それから、一刻も早く下痢を止めたいという時には、やたらめったら下痢止めを服用してしまいがちですが、実は下痢止めには作用や症状によって、いろいろな種類があります。

  • 腸管運動正常化タイプ:活発化した蠕動運動を正常化させて腸の水分量をコントロールする、一般的な下痢止めです。
  • 腸管運動抑制タイプ:自律神経に働きかけて腸の蠕動運動や水分分泌を抑制する。
  • 整腸剤タイプ:腸内環境、つまり善玉菌と悪玉菌のバランスをゆるやかに整えていく、いわゆる整腸薬と呼ばれているもの。下痢止めのように急激な効果はない。
  • 殺菌剤タイプ:殺菌効果があり、食あたりなどによる下痢に有効。
  • 収れん剤タイプ:腸粘膜のタンパク質と結合して、腸壁を保護して炎症を抑える。
  • 漢方薬など

なんとなく気軽に飲んでしまいがちな下痢止めも立派な薬物です。

症状を見極めた上で、もっとも適合する薬を服用する必要があるので、事前に医師や薬剤師に相談することが大切です。

 

薬は飲みたくない、でも、食事の見直しも大変・・・

というなら、腸活サプリを利用するのもよいでしょう。