本屋でうんちがしたくなる?!
本屋さんでしばらく本を探しているうちに、トイレの「大」のはうに行きたくなるとありますよね?
もしかしたら、ならない人もいるかもしれませんが、コレって一時期都市伝説的に話題になっていたくらいだから、多くの人が経験していることなんだと思います。
ひと昔前に「あるある」という声が相次いだことから、心理学者や医療関係者らがこの症状の原因究明にチャレンジし、もっともらしい仮説がいくつか提唱されましたが、いずれも決め手には欠けたみたいです。
しばらくぶりにググッてみると、いきなり「青木まりこ現象」なる項目発見!
青木まりこ現象(あおきまりこげんしょう)とは、書店に足を運んだ際に突如こみあげる便意に対して与えられた日本語における呼称である。この呼称は1985年にこの現象について言及した女性の名に由来する。書店で便意が引き起こされる具体的な原因については、渋谷昌三によると2014年の時点でまだはっきりとしたことはわかっていないという。そもそもこのような奇妙な現象が本当に存在するかどうか懐疑的な意見もあり、一種の都市伝説として語られることもある。一方で生理学や心理学の知見をもってこの現象のメカニズムを解明しようと試みる識者もいる。(Wikipedia 青木まりこ現象より引用)
ということなんですね。
具体的には、「本の雑誌」という雑誌(本の雑誌社)への、読者「青木まりこ」さんからの投稿がきっかけで話題になり、ご本人の名から「青木まりこ現象」と名付けられました。
書店にいることで突然便意が自覚されるという一連の過程は、少なくとも現在の医学的観点からは単一の病態概念から説明できるものではないんですね。
ただ、本を探したり立ち読みしたりしているうちに、便意をもよおしてしまう人は結構いる、という現実があります。
もちろんトイレに行って用を足せばすむことなのですが、なかにはトイレに行きたくなるのが心配で本屋に行けない・・・などという気の毒な人も(苦笑)
まあ、今ではAMAZONでいくらでも本探しできますから、特に支障はないかもしれませんが、それでも私は、この現象の原因は知りたいです。
さらに、一説によると、この現象は日本人だけでなく米国人にも現れるといいますから、ますます興味をそそられます。
いくつかの説がある
本屋で便意をもよおす原因は、現在でも解明されていませんが、当初からいくつかの興味深い説は挙げられています。
たとえば、過敏性腸症候群の一種説。
過敏性腸症候群とは、大事な試験や試合のときに限って便意をもよおしてしまうような症状です。
私は学生時代何度も経験しました。
別によい点数を取ろう、とか、何が何でも成績を上げる、などと考えていたわけではないのですが、テストの日になるとおなかの具合が悪くなり、テスト中に「テイレに行ってもいいですか?」ってなことを毎回繰り返していたことを思い出します(苦笑)
話が脱線しましたが、要するに、緊張などの心理的ストレスが腸に敏感にはたらいて便意をもよおしているんだとする説です。
本屋さんの静寂や活字に対するプレッシャー、目指す本を探さなければならない緊張感が、ストレスとなってはたらいているのではないかとされています。
それから、化学物質が誘因している説。
これは、印刷されたインクや製本の糊、はたまたカビなどのにおいに含まれる揮発性の化学物質が原因となっているのではないか、という説です。
ただし、その化学物質が何なのかは、残念ながら特定されていません。
また、それらのにおいそのものにリラックス効果があり、加えて「好きな本を探す」という行為によってリラックスするために、便意をもよおす、とする説もあります。
ただ、もしこれが本当なら、本屋さんだけでなく印刷所や製本所でも便意をもよおすはずですが・・・???
さらに、条件反射関与説。
条件反射とは、たとえば、梅干しやレモンの輪切りなど酸っぱいものを見ただけで、よだれが出てしまう、といった症状です。
この場合には、本(紙)のにおいがトイレットバーバーを連想させ、条件反射的に便意がもよされる、という説です。
さらにさらに、まぶたがスイッチになっている説。
信州大学の研究グループによれば、人間のまぶたは交感神経のスイッチになっていて、まぶたを開けるとスイッチがONになり、まぶたが閉じるとOFFになるんだそうです。
本を探したり読んだりするときには視線が下を向いたり伏目がちになるため、まぶたが閉じようとします。
この状態がしばらく続くと交感神経がOFFになり、逆に副交感神経が刺激されてカラダがリラックス状態になります。
副交感神経は胃や腸などの動きを支配している神経なので、その結果便意をもよおすというわけです。
その他にも、
・トイレがない、というプレッシャー説
・過去に便意を我慢した、というトラウマ説
など、さまざまな説があるようですが、確定的なものはありません。
もちろん、人によって原因がまちまちかもしれませんし、複合的な要因があるのかもしれませんから、いつになっても特定されないのかもしれません。
トイレがある本屋を利用する
原因がわからない、となれば自分自身ができる対処策は、便意をもよおしたらスグに排泄できる環境を整備することです。
早い話が、トイレがある本屋に行けばよいのです。
実際、出版業界団体でつくる日本出版インフラセンターが行った「書店活性化事業」についてのインターネットアンケートでは、
本屋で利用したいサービスの項目で、
1位:ポイントカード(68%)
2位:バーゲン(51%)
3位:トイレの利用(38%)
でした(1000人から回答、複数回答可)。
つまり、それだけトイレを利用したい人がいるのに本屋にはトイレが少ない、ということでしょう。
最近では、とくに大型店などではトイレが完備していますが、まだまだ個数が少なかったり、背の高い書棚があってトイレを見つけにくかったりと、万全ではありません。
もちろん、本屋さんはそもそも万引の温床なので、トイレにまで本を持ち込まれたら万事休す、という事情もあるでしょう。
こうなると、トイレがない、あるいは少ないという精神的プレッシャー説もまんざら間違いではない?とも考えられます(笑)。
いずれにしても、青木まりこ現象がこの世に問われだしてから30年以上経過した今も、課題が生き続けているとおいうことを考えるだけでも、楽しめますよね。