うんちは何を語る?

第二の脳といわれる腸と人の体のかかわりについて、興味本位に書きつづります。

おしっこは汚くない?!

Pee is not dirty

草むらでおしっこする柴犬

本ブログの趣旨は、「うんち」についてアレコレお伝えすることなんですが、今回は特別にうんちから離れて・・・といっても、同じ排泄物である「おしっこ」に注目してみます。

突然ですが、そもそも、おしっこって何でしょう?

 人は食べ物を摂取して栄養を取り込み、その残りカスをうんちとして排泄しています。

一方、取り込んだ栄養は、体(細胞)をつくる材料として、また活動するためのエネルギー源として使われます。

 

体内で栄養が使われるときに起こる反応(生化学反応)のことを代謝といい、代謝が起こると、細胞の中に二酸化炭素尿素などの老廃物が生じ、それらはすぐに血液中に捨てられます。

血液中に捨てられた廃棄物の内、たとえば二酸化炭素は、呼気として肺から放出されますが、尿素などは体内で分解されることはありません。

となると、血液中が廃棄物だらけに!

とならずに済むために活躍するのが腎臓です。

 

腎臓はいわば、超高性能な血液浄化装置です。

ここでは腎臓の詳しい仕組みは省きますが、腎臓は、毎日およそ180Lもの原尿(おしっこの元)をつくります。

でも、実際におしっことして体外に排出されるのはその1/100程度で、残りの99%は血液中にリサイクルされています。

 

排泄されるおしっこの成分はというと、その9割が水、残り1割が固形成分です。

そして、固形成分のなかで最も多いのが尿素で、その量は健康な人で1日あたり30g前後です。

尿素というと、尿素が配合されたハンドクリームや化粧品を思い起こすかもしれませんが、まさにあの尿素です。

といっても、もちろん製品に配合されているものは工場で化学的に精製された尿素で、決して尿から採取したものではありませんが・・・(笑)

 

余談が過ぎましたが、つまり、人はおしっこを出すことで、人体の細胞で生じた廃棄物を排出し、細胞を取り囲む体液の成分や性状を、常に一定の範囲に保つように調節しているのです。

 

ところで、一般的におしっこをかけられたら「汚いっ!」って言う人が多い(全員?)と思います。

 

が、本当に「おしっこ」って汚いものなのでしょうか?

 

実は、新鮮な・・・つまり、用を足したばかりのおしっこは、唾液や人の肌などと比べて、よっぽどキレイなんです。

唾液や人肌には潜在菌が棲息していますが、健康な人のおしっこには細菌は棲んでいません。

前述した通り、おしっこの成分は90%以上が水で、残りの数パーセントは、尿素や塩類、ビタミン類と色素だけなんです。

※一部、健康でない人のおしっこには、健康を害するようなウイルスや細菌が棲んでいることがあります。

 

「でも、おしっこって臭い」と感じる人は少なくないでしょう。

確かに、ツーンと鼻をつく、あの刺激臭をかいで、汚くないといわれても納得できないかもしれません。

 でも、本当は湯気の立ち上っているような新鮮なおしっこは臭くないんです。

とはいっても、物質そのもののにおいがあるため無臭ではありませんが・・・。

 

トイレ掃除する女の子

 

おしっこの臭いの原因は、便器に残ったおしっこや周辺に飛び散ったおしっこに雑菌が繁殖し、この菌たちが、おしっこに含まれている尿素を分解してできたアンモニアです。

つまり、ツーンと鼻を刺すトイレ臭は、後から作られたアンモニアの臭いなんです。

早い話が、おしっこが臭いのではなく、トイレが臭いということ。

おしっこ臭がイヤなら、トイレを隅々まで掃除することが大切なんですね。

 

アンモニアといえば、虫さされの薬として多くの家庭で使われていますが、昔の人は古いおしっこからアンモニアを作ったそうです。

もちろん現代では、おしっこから作られてはいませんのでご安心を。。。