うんちは何を語る?

第二の脳といわれる腸と人の体のかかわりについて、興味本位に書きつづります。

ヨーグルトはこうして選ぶ・食べる!

 

乳酸菌のキャラクター

 

前回、ヨーグルトや乳酸菌飲料について、乳酸菌やビフィズス菌が生きたまま腸まで届く、届かなくても(つまり、死んだ菌でも)、効果があるとお伝えしました。 

 

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ただし、プロバイオティクスという概念に収まり切らない...つまり、いくら生菌だけでなく死んだ菌にも効果が期待できるといっても、ヨーグルトさえ食べていれば健康になれるわけではありません。

 

腸内フローラのバランスを整える基本は、「善玉菌であるビフィズス菌を増やし、悪玉菌である大腸菌ウェルシュ菌の増殖を抑える」ことにあります。

ということは、毎日の食生活やライフスタイルを改善することが1番大切です。

腸にやさしい食事を心がけた上でヨーグルトを摂取すれば、健康効果が得られやすくなるわけです。

 

それでは、ライフスタイルの土壌が出来上がったとして、ヨーグルトをどのように食べると健康効果が得やすいかというと、まず最初に意識しなければならないのは摂取する量ではないでしょうか。

ここで、なぜ「...しょうか。」と疑問系なのかというと、現時点では医学的に「どのくらいの菌数を摂取すればどういう健康効果が得られるのか」ということが明確に検証・定義されていないため、私がこれまで見聞きした腸内環境を研究されている何人かの先生たちの私見を、私自身があれこれ勝手にまとめた結果だからです。

私自身は研究者ではないので、恐縮ですが、あくまでも参考話として書かせてただきます(汗)

 

ヨーグルトを食べる=腸内に有用な菌(ビフィズス菌や乳酸菌)を取り入れるということなので、やはり摂取量が少なければ菌数が確保できません。

とはいうものの、一般的に1日にそんなに大量のヨーグルトを食べることは容易ではありませんよね。

 

ここで、ヨーグルトや乳酸菌飲料の分類を数字的に見てみると、

・発酵乳(ヨーグルトなど):無脂乳固形分8%以上 /乳酸菌・酵母数1000万以上/1ml

・乳製品乳酸菌飲料:無脂乳固形分3%以上/乳酸菌・酵母数1000万以上/1ml(生菌タイプはヤクルトなど、死菌タイプはカルピスなど)

・その他の乳酸菌飲料無脂乳固形分3%未満/乳酸菌・酵母数1000万以上/1ml(発酵食品としての効果低。清涼飲料水に近い。)

となっています。

 発酵乳や乳製品乳酸菌飲料には1mlあたり1000万個の菌が含まれているので、仮に200ml(g)食べれば(飲めば)20億個の摂取が可能ということになります。

 

1907年に「ヨーグルト不老長寿説」を唱えた、ヨーグルト研究の先駆者であるロシアのメチニコフは、30~50億個の菌摂取、つまり300~500gのヨーグルトを食べることをすすめていますが、現実問題として、多くの市販ヨーグルトのファミリーパックは400~450g入りで、価格が150円程度なので、一般人が毎日欠かさず食べ続ける経済性を考えると1日200gが妥当かな、と考えた次第です(苦笑)。

もちろん、それ以上食べる分にはとくに問題はないはずです。

私が見聞きした中で、食べすぎは良くないという意見はありませんでしたし、実際、研究者によって200gで十分とか、400gくらい必要とか、さまざまな意見があります。

それに、性別や体の大小、その他個人差によって食べる人、一人ひとり必要量が違うということもあるでしょう。

なので、「これが正解」という数字はないのかもしれません。。。

 

さて、200mlの量を乳酸菌飲料で摂ろうとすると、日本で市販されている乳酸菌飲料には糖分が多く含まれているため、血糖値を高めるリスクを抱え込んでしまいます。

また、普通のヨーグルトは、乳製品なので当然、脂肪分が多く含まれ、過剰摂取すれば高カロリーや高コレステロールのリスクが高まるでしょう。

となるとやはり、無糖・無脂肪タイプのプレーンヨーグルトを選び、1日に最低200g食べることが、腸内フローラのバランスを整え、健康状態を増進させていくための1つの目安になると思います。

 

ガラスの器に盛ったヨーグルト

 

私は毎日、無糖・無脂肪タイプのものを200gずつそのまま食べていますが、もし味気がなさ過ぎて食べづらいと感じるなら、砂糖ではなく果物やハチミツを加えれば、ビタミンやミネラルの摂取にもつながり、味わいもよくなると思います。

果物のビタミンCは、体内の抗酸化力を高める働きがありますし、ハチミツを加えれば、ビフィズス菌のえさとなるオリゴ糖を同時に摂取できるので効率的ですね。

ただし、果物もハチミツも高カロリーなので、加える量はほどほどに。

 

また、市販品のうち、どれを食べればいいの?という疑問があるかもしれませんが、現状では「食べて自分に合うもの」というのが、多くの有識者の見解です。

最初は1つの銘柄を、1週間~10日ほど試してみて、排便の調子に変化があるなど、何かしらの効果を感じたものを選ぶのがよいでしょう。

実際、わたしもその方法で、自分に合う品を見つけました。

 

なお、すでに病気や体調不良に悩まされている場合には、一度に多数の有用菌(ビフィズス菌、乳酸菌)が摂取できる、乳酸菌製剤(ビオフェルミンなどの乳酸菌生産物質)がおすすめです。

最近、イタリアで発表された論文によると、「潰瘍性大腸炎の治療に7種類の乳酸菌・ビフィズス菌から製造した乳酸菌製剤をすすめた結果、一定の効果があった」そうで、なんとこの製剤には2兆個の有用菌が含まれていたといいますから、菌も「数打ちゃ当たる」のかもしれませんね(笑)。

 

繰り返しになりますが、腸内フローラの改善は食生活全体で考えることが第一です。

また、ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂る場合でも、「生きた菌だから体にいい」といった言葉に踊らされず、糖や脂肪の量なども考慮しながら、今の自分の体調・体質に合うものを選ぶことが重要です。

 

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