隠れ便秘ってなんだ?
腸の中に長い時間うんちが留まると、体に害を及ぼす老廃物も滞留します。
すると、そういった老廃物が腸から血管に吸収され、それが全身に回ることで、頭痛や肩こり、だるさ、ニキビや肌荒れ、冷え性などさまざまな不調の原因になります。
加えて、最近では、便秘が肥満につながっていることもわかってきました。
腸内環境が乱れていると、栄養の吸収が上手くできなくなって、摂取した栄養が適切に使われなくなるため、体は防御反応の一環として脂肪を溜め込みはじめます。
あるいは、栄養の吸収効率が悪いためにエネルギーを必要以上にとらなくてはならなくなって、太りやすい体質になってしまうのです。
便秘が続く=腸内環境が悪い
さらに、腸内環境が悪いと余計に便秘が悪化します。
負の連鎖ってヤツです。
では、そもそも、なぜ便秘になるのでしょうか?
腸内細菌のバランスが崩れると腸内環境悪化を示すさまざまなサインが現れます。
その代表的な症状が便秘です。
ただ、一言で便秘といっても、実は便秘の定義は人によって違います。
一般的には、
- 以前に比べて排便回数が少ない
- うんちを出しにくい、出すときに痛みや腹部膨満感がある
- うんちを出してもすっきりしない
などが便秘とされていますが、お腹の症状の感じやすさには個人差があるため、便秘を定義するのはむずかしいのです。
でもやはり、お腹の症状はなくても、3日以上排便がない場合や、逆に毎日出ていてもお腹の不快感がある場合は、便秘と考えて対処しましょう。
中には、本当は便秘なのに、本人が気付いていない、いわば隠れ便秘もあるから要注意です。
隠れ便秘の症状例を挙げると、胃痛、胸焼けがあります。
「それは酒の飲みすぎじゃない?」って思うかもしれませんが、
胃痛:みぞおちやお腹の上部が痛くなり、胃薬では症状改善がみられないときには便秘を疑いましょう。
胸焼け:腸の中にうんちが詰まっていると、胃への圧力が高まって胃酸が食道に逆流して胸焼けを引き起こすことがあるので、とくに胸焼けする理由が思い当たらないときには便秘を疑う必要があります。
それからもう一つ、隠れ便秘が疑われる症状が、なんと下痢!
「いやいや下痢しているくせに便秘はないでしょう?!」って思いますよね?
でも、腸内に溜まったうんちが硬くなったり、腸の働きが鈍っているときに、うんちがなんとか外に出ようとして下痢症状になることがあるんです。
以上を踏まえて、自分自身には「便秘」という腸内環境の悪化のサインがでていないか、日常生活をおくることが健康促進につながります。
そして、便秘になったら、ただ単にうんちを出すだけでなく、抜本的な対策として、腸内環境を整える意識が必要です。