オナラのにおいの話
うんちやおしっこの排泄は、人が生きていく上で必要不可欠な生理現象です。
食事して栄養素を取り込んだ後の残りカスを排泄することが、人の生命活動の基礎と言ってもよいでしょう。
口から食べ物を入れて肛門から排泄する過程において、体内でガスが発生し、それが体の外に漏れ出すことがあります。
それがオナラです。
一般的にオナラは、
臭いもの・・・
ブッとかプ~という音を立てて出る恥ずかしいもの・・・
などと認識されていますが、実はオナラには2種類あります。
片方は期待通り(?)臭い(くさい)オナラで、もう一方はほとんど臭い(におい)がないオナラです。
オナラが臭い、臭くないことには、腸内の善玉菌と悪玉菌の数(割合)が関係しています。
簡単にいうと、腸内で善玉菌が有効に働いている状態(善玉優勢)ならば、臭いの無いオナラが出るようになり、腸内が悪玉菌優勢の悪い環境ならば、臭いのきついオナラが出るようになってしまいます。
つまり、善玉菌と悪玉菌の占有比率によって、オナラの臭いの度合いが決定づけられるということです。
2種類のオナラをあえて分類すると、発酵型と腐敗型と呼ぶことができます。(医学的な正式分類ではありません。)
発酵型オナラとは、
- 善玉菌優勢:大腸の中で善玉菌が炭水化物を分解してできる二酸化炭素や水蒸気が放出されるものです。
- 臭い:このガスは臭いも無く、腸内環境が整って善玉菌が正常に活動している証明でもあります。
- 音:放屁の際に大きな音が出ることが多いです。
腐敗型オナラとは、
- 悪玉菌優勢:腸内の悪玉菌が、動物性タンパク質(肉類など)を腐敗させて発生したガスです。
- 臭い:タンパク質が腐敗してできたガスであるため、硫化水素などを含み悪臭を放ちます。
- 音:発酵型のおならに比べ音が小さく、俗に言う「すかしっ屁」になります。
このブログで何度もお伝えしている通り、腸内環境が人の健康面について、心身ともに深くかかわっていることを考えれば、発酵型のオナラが望ましいのは一目瞭然ですが、難しいことは抜きにして、臭いの面からみても発酵型のオナラが望ましいですよね(笑)
腐敗型のオナラの場合は、臭いだけで無く、その腸内ではいろいろな有害物質が精製される可能性が高いです。
荒れた腸内環境は、最悪の場合、大腸がんなどの病気の原因となることもあるので、日頃から善玉優勢の腸内フローラを目指すことが大切です。
食べ物や食べ方でオナラの臭いがかわる?!
言うまでもなく、オナラの臭いは人によって違います。
また、同じ人でも日によって、オナラの臭いの強さや質が違います。
その違いが生まれる理由は、食べ物の種類や食べ方の影響が大きいんです。
そもそもオナラは、食べ物を飲み込むときに一緒に取り込んだ空気、血液から染み出たガス、それと食べ物が分解される時に発生したガス、の3種類で構成されています。
その中で悪臭を放つ原因となるのが、食べ物が分解される時に発生するガスです。
そして、前述した通り、腸内の善玉菌が食物を発酵させた時に出るガスと悪玉菌が食物を腐敗させた時に出るガス2種類の内、強烈な臭さがあるのは悪玉菌が発生させるガスです。
具体的には、ウェルシュ菌やブドウ球菌といった悪玉菌が、腸で消化され切らないタンパク質を腐敗させ、その過程でスカトール、インドール、硫化水素、フェノールといった有毒で悪臭のするガスが発生します。
なので、食事内容が肉食中心の人は、動物性タンパク質の摂取量が多いので、必然的にオナラが臭くなりやすいです。
さらに、食べ方でもオナラの臭いが変わります。
具体的には、早食いの人はオナラが臭くなります。
早食い=咀嚼が不十分
となり、咀嚼が足りないと、食べ物に含まれる数々の雑菌が胃酸によって殺菌されにくくなります。
すると、それらの雑菌が、腸内まで生きたまま到達し、悪玉菌となってしまうのです。
さらに、咀嚼が足りないことで、消化に時間がかかり食べた物が腸内に長い時間滞留しやすくなるために、腐敗が起きやすくなって臭いガスが多く発生します。
人の腸内の細菌の総量は、ある程度決まっています。
つまり、悪玉菌が増えれば善玉菌は減り、善玉菌が増えれば悪玉菌は減るというわけです。
ということは、善玉菌を増やせば必然的に、悪玉菌を減らすことができるということです。(実際には、日和見菌を加えてバランスされていますが・・・。)
善玉菌を増やすには、ヨーグルトや味噌、漬物などの発酵食品を積極的に摂取し、さらに、善玉菌のエサとなるオリゴ糖を摂取するといいでしょう。
加えて、食物繊維も腸内フローラ整備には欠かせません。
同時に、悪玉菌を減らすために、動物性タンパク質の摂取を控えることも並行しましょう。
オナラの臭いを軽減する=腸内フローラの整備です。
腸内が整えば、オナラの無臭化はもちろん、心身ともに健康に保てること間違いなし?!
毎日の食生活に気をつけて、オナラもカラダも改善してみましょう。