うんちは何を語る?

第二の脳といわれる腸と人の体のかかわりについて、興味本位に書きつづります。

ヤバイ薬のはなし

 

たくさんの正露丸

うんちブログにつきものの下痢便秘

いずれも、腸内環境の乱れが元凶となって発症する体の不調です。

もちろん、食生活を見直したり、ストレスを溜めないことが予防や改善のキモとなるわけですが、とりあえずの対処療法として薬に頼ってしまうこともありますよね。

 ここに一つ、衝撃的な情報を発見。

それは、「良薬は口に苦し」のフレーズがピッタリな正露丸についてです

言うまでもなく、正露丸とは、100年以上もの間、大衆に服用されてきた下痢止めのこと。

ある統計によると、国内の認知度90%以上、市場シェア50%以上を誇っているそうですが、細かい数字はともかく、昔からお腹を壊すと「正露丸飲んどけ!」と言われて育った人は少なくないと思います。

今回は、そんな正露丸が、良薬どころかヤバイ薬なんじゃないか、という話です。

 

現在、正露丸は複数の医薬品会社によって販売されていますが、最大手メーカー大幸薬品の添付文書によると正露丸の主成分は、木タールから製造されるクレオソートです。

クレオソート(Creosote)

  • 2種類の化学物質の呼称。由来は異なるが、どちらも成分としてフェノール類が多いという共通点があるために同じ名前で呼ばれている。

 

日局クレオソート(にっきょくクレオソート)は、木材の構成成分が熱分解されて生成したフェノール類化合物を主成分とする化学混合物。

正式名称は木クレオソート(もくクレオソート;英語: wood-tar creosote、フランス語:la créosote de bois)。 Wikipediaより 

 

もう少し詳しく言うと、木クレオソートは、フェノール(14.5%)、クレゾール(16.8%)、グアヤコール(23.8%)、クレオソール(19.1%)、エチルグアヤコール(6.4%)が混合するフェノール系化合物です。

 

このクレオソート腸液の分泌抑制・吸収促進、腸の蠕動抑制などによって下痢を止める作用はありますが、殺菌効果はありません。

殺菌効果がないということは腸内細菌には影響がないのかと思いきや、解毒剤がない劇薬なので、細胞や神経を傷害する高濃度の腐食性があり、血液障害、腎障害、がんの発症リスクを高める薬剤とされています。

正露丸の説明書

正露丸の添付文書を読み進めてみると、効能は、軟便、下痢、食あたり、水あたり、はき下し、くだり腹、消化不良による下痢、むし歯痛とあります。

さらに、アレルギー、肝疾患、腎疾患などの患者、高熱を伴う下痢、血便、粘液便の続く人、妊産婦、高齢者などは、医師や薬剤師に相談のうえ、服用することと記されていて、加えて、下記のような服用の注意が記載されています。

  • 薬成分が含まれているので、用法用量を必ず守る。
  • 5才未満は服用しないこと。
  • 小児には喉につかえないように注意し、保護者の指導監督で服用する。
  • 効能以外の目的には絶対に使用しない。
  • 水または白湯で服用する。
  • 他の止瀉剤との併用は絶対しない。

ちなみに、「皮膚に付着したらせっけん及び湯を使ってよく洗ってください」ともされていますが、皮膚に付着してはいけない薬を内服するっていうのもおかしな話ですよね???

 

ところで、用法として定められた、正露丸の1日の最大常用量(成人)9粒です。

ただ、一般消費者のなかには、薬の効きが悪いと、増量して服用する人がいないとも限りません。

実は動物実験によって、1日の最大常用量の約2~4倍(18〜36粒)が成人の中毒量だと推定されています。

実際に過去に、成人の1日の最大常用量の約4倍を服用したため、腸閉塞、腸管壊死、貧血を発症したり、腎不全の手術・透析を行った臨床例があるそうです。

また、自殺する目的で240粒を服用後、意識消失と溶血が認められ、透析を受けた臨床例もあるといいます。幸い発見が早かったため、一命は取りとめたそうですが・・・。

そもそも、正露丸臨床試験は、「使った・治った・効いた」という三段論法的な論文だけを根拠にしていて、正露丸を投与しない対照群との二重盲検試験はまったく実施されていないんだそうです。

そういった点も、正露丸の有効性を実証する根拠となり得ないといえます。

もちろん、どんなに優秀な薬でも、用法・容量を守らなければ劇薬になり得る可能性は否定できません。なので、上記のようなリスクは何も正露丸に限ったことではないと言うこともできるでしょう。

それに、正露丸は、古くから使用されている医薬品という点で、安全性が担保されている?!という言い方もできなくはありません。←実際、わたしも過去に何度も服用したことがあります(汗)

ただ、正露丸は、止瀉薬という比較的気軽に誰もが服用する薬である点や、添付文書に定める用法・用量からわずか2倍量を超えただけで中毒量に当たる医薬品である点、それから、処方箋なしで誰でも簡単に入手し服用ができる点などを考慮すると、極めて危険な存在だといえるのではないでしょうか。

もしかしたら、これまで服用に関して大きな問題が起こっていないのは、あの独特の匂い(臭い?)や味覚が、服用量を増やしてしまう行為につながりにくいことが理由かもしれませんね(苦笑)

冗談はさておき、現在、医療用医薬品に、正露丸以外にクレオソートを含有した医薬品はありませんし、クレゾールを使用するような場面も皆無であることからも、今後あえて正露丸を服用する必要はない気がします。

それでも、「あの匂いがクセになる・・・」というなら、仕方ありませんが(苦笑)

 

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